小島 剛

特任准教授/アートコーディネーター

 大学時代に現代音楽のミニマル・ミュージックやミュージック・コンクレートを知り、「音」「時間」「空間」「記憶」の関係に興味を持ちはじめ、ノイズミュージックや即興音楽の演奏を開始。大学卒業後は情報システム会社のコンサルティング部門で地域情報化施策の設計に携わる一方でプログラミングツールの「MAX/MSP」を使ったオリジナルの即興音楽ツールを開発。マイナーだが世界中にファンがいるノイズやフリーミュージックのアーティストとつながり、会社の有給休暇を利用しながら国内外でライブ活動を積極的に展開。

 7年間勤めた会社を退職後、大阪市の1920年代の赤レンガ倉庫を使った現代芸術活動を支援するアートNPOの立ち上げに参画し、サウンドプログラムのディレクターに就任。現代音楽や実験音楽、ニューミュージックなど数々のサウンドアート展覧会やライブイベントを企画。先鋭的な企画や活動はイギリス”WIRE”誌にて紹介されたほか、専門誌やニュース/情報番組で紹介される。

 その後、2010年ごろからはアートを学校での音楽や美術教育の枠を超えた創造性や多様性を育むためのツールとして捉え、小中学校や国内外の様々な地域コミュニティでアートワークショップの企画/コーディネートをスタート。以降、民族音楽、サウンドアート、メディアアート、現代美術、ダンスなどあらゆるジャンルのアーティストと共にこれまでにのべ300箇所、13,000人以上の子どもにアートプログラムを提供している。

[ゼミ紹介]地域アート

 この専攻では、音楽を地域やコミュニティを活性化させるためのメディアとして活用する方法を学生自らが考えて実践していきます。

 社会が多様化する現代においては、音楽と人との関わり方も大きく異なってきました。地域に根ざしたアーティストの登場やワークショップ形式による市民への演奏参加機会の提供、地域の施設を活用して多様な人たちが出会い、気軽に楽しめるような場作りのための仕掛けなど、今や音楽の鑑賞や体験の行為が、まちづくりや地域の活性化のためのコミュニティツールとして使われるような活動が増えています。

 しかし、音楽の専門的な知識を持たず、また地域性を見逃しては単なる”にぎやかし”のためのイベントに陥りがちです。より効果的で面白い企画をつくるためには、地域社会の特性や課題を把握しながら、自分たちが持っているリソースや手法、音楽知識をどのように活用すればより効果的な企画になるのかを「なぜ?」「誰のため?」「どのように?」といった問いに丁寧に向き合いながら考えていくことが重要になります。

そのために、この専攻では地域のリサーチやステイクホルダーとの対話を重視して進めていきます。様々な事例に直接出会い関係者や地域住民の多様な価値観や考え方を学んでいく中で、自分たちの企画力を高め、住民にとっての「幸せな音楽」のあり方を提示していきます。

そしてここでの学びは音楽業界はもとより、教育、福祉、まちづくり、企業のCSR活動など様々な仕事の中で生かすことができるでしょう。

社会包摂/アートプロジェクト/まちづくり/ワークショップ/豊中市庄内/南部活性化


 

 

松田 淳一 

特任教授/舞台芸術全般の制作プロデューサー、舞台監督

 数多くのオペラ、バレエ、ダンス、ミュージカル、コンサート等の企画、制作、舞台監督、技術監督、プランニングを手がける。最近では作曲家の宮川彬良企画事業 「歌劇 ブラック・ジャック」「歌劇 あしたの瞳」「Osaka Sion Wind Orchestra」「パントマイムオーケストラ」「宮川彬良 & 米良美一 ふたりの歌謡ショウ」「アキラさん’Sアカデミー」「ミュージカル・アンソロジー」等を全国で展開中。
 その他、クラシック音楽の録音ディレクター、エンジニアとして、数多くのレコーディングに参加、各録音は『レコード芸術』誌の批評で高評価を得ている。

2019年度 静岡県知事褒賞受賞
(一社)日本舞台監督協会会員
厚生労働大臣認定 舞台機構調整技能士1級

[ゼミ紹介]舞台マネジメント

皆さんがこのクラスを終了する時のイメージは、アーティストとオーディエンスを結びつける、有機的なインターフェイスになる資質を身につけていることです。それには、ただ単に知識や技術の蓄積だけではなく、舞台芸術の現場で何が行われ、何が起こっているのかを認識し、そこに自らの理念や信念といったものを反映させることで、結果を導き出していくことが必要になります。

本クラスでは、オペラ、バレエ、ミュージカル、コンサート、演劇等の舞台芸術やエンタティメントの世界で、実際に何が行われていて、そこに関わる舞台、照明、音響等の様々な領域の機能や技術について、広く深く理解することで、卒業後の自分の未来像をイメージできるように、より具体的な授業を展開していきます。

皆さんが将来の「夢」を見つけられるように、多彩な領域のカリキュラムを用意しています。そのなかに必ず皆さんの「夢」を見つけることができるはずです。
それを見つけることが出来れば、「夢」=「仕事」のスタートです。

キーワードは、「楽しむ」です。アーティストからオーディエンスへ伝えたいモノ、オーディエンスからアーティストへ伝えたいモノの狭間で、技術と感性をよりどころとして、仕事をしていく上で「楽しむ」気持ちが無ければ、伝わるモノも伝わらなくなります。アーティストが100%かと云うと、そうではありません。むしろ、チケットを購入して会場に足を運んでくれるオーディエンスの方が、大切であることに間違い有りません。

ここで2者に挟まれる形で、あなたの真価が問われることになります。この状況を「辛い」と感じるか「楽しい」と感じるかで、あなたの「夢」=「仕事」の図式が違ってきます。この「楽しむ」という気持ちを、将来の「仕事」のなかで持ち続けられるように、四年間、技術と感性を磨いていきましょう。


  

 

渡邊 未帆

准教授/放送ディレクター、ミュージシャン、音楽研究者

 小さい頃、ジャズピアニストをしていた祖母に音楽を教わり、音楽の道を志すことに決めました。9年間の大学生生活を過ごしたのち、大学の助手、非常勤講師、ラジオの音楽番組のディレクター、音楽雑誌や書籍の編集・執筆、舞台の音楽ドラマトゥルクといった仕事をし、旅に出たり、自主企画でイベントやライブをしたりしてきました。人として、音楽の「実践―表現―探究」を切り離さずに生きていきたいと思っています。

●略歴

東京藝術大学音楽学部楽理科卒業、同大学院音楽研究科修士課程、博士後期課程修了。「日本の前衛音楽」をテーマに博士号(音楽学)取得。東京藝術大学音楽環境創造科教育研究助手(2007-2010)、横浜国立大学教育人間科学部(北仲スクール)非常勤教員(2009-2012)、東京藝術大学映像研究科(2012-2013)の教育研究助手を務め、早稲田大学法学部非常勤講師として「芸術論」、「表象文化研究」を担当(2010-)。

TOKYO FM系列衛星デジタル音楽放送ミュージックバードのジャズチャンネル、クラシックチャンネルのディレクター(2005-2020)、NHK WORLD ラジオ放送ディレクター(2020-)としてラジオ番組制作現場に携わる。季刊雑誌「アルテス」(アルテスパブリッシング)編集(2011-2013)。「フェスティバル/トーキョー」にてダンス『春の祭典』(2014)、ゾンビ・オペラ『死の舞踏』(2015)の音楽ドラマトゥルクを務めた。

共著に『ジャジューカーモロッコの不思議な村と魔術的音楽』(太田出版、2017)、立花英裕編『クレオールの想像力』(水声社、2020)、細田成嗣編『AA―50年後のアルバート・アイラー』(カンパニー社、2021)ほか。関心は前衛音楽、実験音楽、即興音楽、植民地主義と音楽、マグリブの音楽、カリブの音楽など。

フランス語圏カリブ海の音楽「コンパ」「カダンス」「ズーク」「ララ(カーニバル音楽)」などを演奏する新宿発フレンチカリブ・ビッグバンド「Ti’Punch」主宰。不定形ユニットTACOなどの演奏に参加。

2021年度、大阪音楽大学ミュージックコミュニケーション専攻に着任。

研究者情報→research map

Twitter→ @quaquipachi

[ゼミ紹介]広報・マネジメント

地域のコンサート、音楽イベントの企画・制作・広報に取り組みます。つねに開かれたオルタナティブな発想を大切にしていきたいと思います。

阪急宝塚線ミュージック駅伝MOT!  https://musicekidenmot.org

渡邊未帆 note
https://note.com/quaquipachi


  

 

 

江南泰佐

特任准教授/音楽家

         ©️ 島田勇子

1998年以降民放ラジオ番組のDJとして音楽キャリアを開始。2008年以降はピアノ演奏や非楽器を用いながら音楽と音から派生する活動を国内外で開始。2017年には通常の楽器を使わず日用品に焦点をあてた大所帯非楽器アンサンブルPOLY!を結成。近年は岡山県の中山間地や瀬戸内の島々にも活動の場をひろげインスタレーションの制作や音声メディアを通した新しい地域コミュニケーションの在り方を探っている。
受賞関連としてはサウンドデザイン、エンジニアとして参加した映像作品「gong batu」岩本象一監督(2021) でROME MUSIC VIDEO AWARDSにてBest Experimental Music Video賞、Art Film AwardsにてBest Sound Design賞などを受賞。2020年大阪から真庭市勝山に移住。


ここ数年の参加プロジェクト、公演としてはインスタレーションで「SALAMANDER:jomonを這う」京都芸術大学美術館(2022) 、「笠岡諸島アートブリッジ2022」笠岡市白石島(2022)。公演、楽曲提供では「Holiday Performance vol.10」ロームシアター京都(2022) 、「音の映画-Our Sounds」ハブヒロシ監督(2021)、「CORONA」台北偶戯館_台湾(2019)。メディア制作では「まにわ図書館ラジオ」真庭市立中央図書館(2022~) 、「何か不足?」岡山県長島喫茶さざなみハウス(2022~)、「Podcastラジオ白石島」白石島(2022)などがあげられる。

web enami Taisuke soundcloud    https://soundcloud.com/enamitaisuke
enami Taisuke 快音採取 blog      http://otodamaradio.blog16.fc2.com


 

 

西村 理

教授/音楽文化研究者

- coming soon -


 

 

松本 茂章

特任教授

 文化政策研究者。日本アートマネジメント学会会長、日本文化政策学会理事。行政専門誌等に長く連載を書き続けている。

 子どものころから地理と歴史の勉強が好きだった。大学進学の際、どちらも学べるところを探したところ、早稲田大学教育学部地理歴史専修の存在に気づき、進学。英語の文献を読む西洋史のゼミに所属した。理由は新聞記者を志していたからだった。全国紙の採用試験では英語問題が大きな比重を占めていたので、少しでも英文に触れようと考えた。とはいえ、今も地理に関心があり、地図帳をしばしば眺めている。地図を見ると心が穏やかになる。
 学生時代、サッカーと軽音楽に関わっていた。軽音楽のサークルではベースを弾くバンドとともに、マネジャーを務めるバンドでも活動した。当時から社会と文化芸術をつなぐ取り組みに関心があったようだ。そのころ、「文化政策」や「アートマネジメント」という言葉はなく、1990年代になってから、これらの言葉を聞くようになった。
 日本アートマネジメント学会の第1回全国大会が1999年に開かれ、翌2000年に入会した。新聞社に勤めていたころだった。その後、ご縁があって、世界的な電器メーカーの関連企業に出向。文化ホールの運営や企業メセナ活動に関わるようになる。勉強不足を痛感したので、文化政策を学びたいと考え、大学院に進学して前期課程、後期課程を修了した。

 

●略歴

 早稲田大学教育学部卒業。同志社大学大学院総合政策科学研究科前期課程、後期課程を修了。博士(政策科学)。博士論文は「芸術創造拠点と自治体文化政策」と題した。番組小学校を改修した京都芸術センター、大阪の劇場寺院・應典院、神戸の民間アートセンター・CAP HOUSEの設立に至る政策過程を調査研究した。単著は『芸術創造拠点と自治体文化政策 京都芸術センターの試み』(水曜社、2006)、『官民協働の文化政策 人材・資金・場』(水曜社、2011)、『日本の文化施設を歩く 官民協働のまちづくり』(水曜社、2015)。単独編著は『岐路に立つ指定管理者制度 変容するパートナーシップ』水曜社、2019)、『文化で地域をデザインする 社会の課題解決と文化をつなぐ現場から』(学芸出版社、2020)、『はじまりのアートマネジメント』(水曜社、2021)、『ヘリテージマネジメント 地域を変える文化遺産の活かし方』(学芸出版社、2022)。共著多数。
 当初は、文化施設の管理と運営の研究から入った。近年は、文化施設が立地する地域のありように関心を抱き、文化芸術を活かした地域デザインや地域振興に研究対象を広げている。2018年には文化と地域デザイン研究所を設立して代表に就任。2023年5月には文化と地域デザイン学会を設立。「文化」×「地域」×「デザイン」の連携や融合を考えている。


 

 

廣畑潤也

講師

- coming soon -


 

 

丸井隆人

講師/ウェブデザイナー

インターネットの黎明期とも言える1990年代前半に美術大学で学生時代を過ごし、パソコン通信からの遊びの延長上で見様見真似でウェブデザインを学び(今ほど複雑化していないオープンソースのウェブはそれがとてもやりやすかった)、関わったアートプロジェクトや地域活動のサイト構築を任されるうちに漠然と職業化する。アート関連を軸に出版社や個人アーティスト、シンクタンク、NPO、商品サイト等を手掛け、ゼロ年代半ばあたりから大学の学科、研究室のサイト構築および保守管理に携わるようになる。その頃より大学でウェブ構築の実技講座を受け持つようになり、現在に至る。

そのデザイン仕事とは別に、戦前に画家を志しながらも不遇に終わった祖父の遺作品を展示・プロデュースする活動をライフワークとしていて、代表作が日本美術全集に掲載されるなど、20年以上続けてきた活動が徐々に実を結びつつある。
https://kingei.org/

また、アートや文化の現場にいろんなカタチで関わる様々な人々の動きを紹介する「コネクタテレビ」という映像でのネット配信番組に関わってます。何か映像で「知らせたい」「伝えたい」ことがあったら持ち込み企画もスタッフ参加もできますので、まずはサイトチェックしてみてください。
https://connectortv.net/