ジャズシンガー、教師になる〜即興音楽は子どもを救う?〜

9月26日(木)にアートエリアB1にて、ミュージックカフェ「ジャズシンガー、教師になる〜即興音楽は子どもを救う?〜」を実施しました。

豊中市の公立小学校教諭である中澤七恵さんと、転職やなにか転機が訪れた人たちを勇気づけられるイベントをしたい!と意気投合し、なぜジャズシンガーから教員に転職しようと思ったのか?を中心にトークを展開しました。

矢野「どうして転職しようと思ったのですか?」

中澤「実は…離婚なんです。一人で娘を育てなければいけないけど、音楽を諦めたくない。でも夜に音楽活動していくのは無理だし…昼にできる音楽の仕事はなんだろう…何度も悩んで閃いたのが教師だったんです!」

子ども達と真正面から向き合うにはまず自分の本当の姿を見せる。その方法として音楽があるのだ、と中澤さん。音楽は、人と心を通わせるためのツールだと子ども達に知って欲しいと語る中澤さんの姿に心を熱くされるお客さん。その光景に胸がいっぱいになる私…(笑)。

そして辛い時に一番支えてくれたのは娘さんの存在だと打ち明ける中澤さん。

中澤「仕事の兼ね合いで、娘の小学校の卒業式にも行ってやれなかったんです。なので後から式に参加してくれていた祖母に聞いたのですが、子ども達がみんなの前で大きな声で決意表明をする場面で、娘は、『私のお母さんは夢を叶えました。私も夢を叶えられる人になりたいです!』って叫んでくれたらしくて…辛い思いを沢山させてしまったのにそんな風に思ってくれていたのかと思うと…」

と、目頭を熱くされていました。

娘さんを大切に思う1人のお母さんとしての一面も見せてくださいました。

     

イベントの最初と最後には中澤さんといつも一緒にジャズを演奏していたというメンバーの皆さんによるライブを行っていただきました。生き生きとパワフルな演奏をされる中澤さんの横顔からは、音楽を心から愛する演奏者としての一面が現れていました。

「音楽は魔物です。どう頑張ったって、演奏している人の性格出ちゃうんですよ。だから音楽では嘘をつけない。」

そう強く訴える中澤さん。

私が昔、心を奪われた中澤さんの教師としての姿がそこにあり、こんな先生に出会えたことを誇らしく思った瞬間でした。

(2019年9月26日 アートエリアB1)
文:ミュージックコミュニケーション専攻 2年 矢野夏実

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